■「青色決算書では使えません~財務分析、その前に~」財務分析講座第2回
法人の決算書は良いのですが、個人事業者の決算書である
青色申告決算書や収支内訳書は残念ながらそのままでは
財務分析に使うことはできません。
なぜか?
それは、青色申告決算書や収支内訳書が
税務署が税金の計算をしやすくするために
通常の決算書のひな型を変形してしまって
本来の機能が損なわれているからです。
以前、ブログにも書きましたが
税務署の決算書の目的は正確な納税です。
その事業所の経営成績がどうのこうのとか
財政状態がどうだとか、関係ないんです。
1.損益計算書の通常のひな型では
「売上」にはその事業の本業の収益が計上されますが
青色申告決算書には本業以外の収益や臨時的な収益も
この「売上」に入っています。
「経費」についても
「販売費および一般管理費」「営業外費用」
と区分されていません。
損益計算書で大事なことはどんな活動からどのくらいの
利益を生みだしたか?
「売上総利益(粗利益)」
「営業利益」
「経常利益」
この3つの利益は必ず算定しなければなりません。
2.貸借対照表も本来のひな形では
流動資産、固定資産、流動負債、固定負債、純資産(元入金)
と区分表示されていますが、青色申告決算書では
流動と固定分類はされていません。
貸借対照表は財務の長期的安全性や短期的安全性
を見るためにはこの流動固定分類は必須になります。
財務分析のためには
青色申告決算書を本来の決算書へ組み替える作業がまず必要です。