1.財務の構造は「粗利益」「人件費」「借入金」で決まる
会社の財務の構造は「粗利益」「人件費」「借入金」でほぼ決まります。
(1) 「粗利益」こそエネルギー源
売上げはもちろん、大切ですが、
それより大事なものは「粗利益」の管理です。
「粗利益」こそが会社の存続するエネルギー源となります。
「粗利益」から、人件費、さまざまな経費、
借入金の返済、税金の支払がされる。
いかに粗利益を確保できるかが、会社存続のカギとなります。
*チェックポイント
過年度と比較し、その増減をチェックしてください。
金額と粗利益率(粗利益÷売上高)を比較してください。
特に粗利益率は数パーセント変動すると大きく、その後利益に影響を及ぼします。
(2)人件費が最もお金がかかる
仕入以外で最もお金がかかるのが人件費です。
人件費
=役員報酬+給料+賞与+雑給+法定福利費+福利厚生費
業種にもよりますが、粗利益のうち
おおよそ、50%は人件費にもっていかれます。
人件費の多くは固定費なので、業績が悪くなると
この人件費の負担が会社の資金繰りを圧迫します。
粗利益と人件費の関係には常に目を配りましょう。
*チェックポイント
人件費÷粗利益(労働分配率といいます)を毎月、チェックしましょう。
正社員ではなくパートにシフトできる部分はないか?
仕事を内容を精査しましょう。
(3)借入金の返済は見えてこない
借入金の返済は、
元金返済部分と利息返済部分とに分かれます。
経費となるのは利息返済部分で、
元金返済分は経費としてカウントされない。
したがって、損益計算書上、利益が出ていても
元金返済部分が考慮されていないため
実態は赤字となっている場合がとても多い。
「利益」と「現預金の残」が大きく乖離しているのは、
借入金が原因です。
*チェックポイント
税引後当期純利益+減価償却費-借入金元金返済額
これを計算してみましょう。プラスとなっていればいいのですが、
マイナスとなっていると,いずれ資金ショートしてしまいます。
2.改善計画を立てましょう!
「粗利益」「人件費」「借入金」をチェックし、問題点を洗い出します。
粗利益がなぜ、下がっているのか?
まず、その原因を探りましょう。
売上アップを考慮しないで、どうやったら改善できるか。
これをとことん考えましょう。
人件費の負担が大きくなってきている原因の多くは、
粗利益が下がってきているからですが、
粗利益が下がってると、 従業員の遊休時間が増えているはずです。
遊休時間の管理をまず始めましょう。
改善策がまとまったら、それを数値計画に落とし込んでいきます。
向こう一年間の改善計画を立てます。
*借入金の改善は銀行との話し合いなので、
話し合いの材料とするためにも、改善計画は欠かせません。
3.予実管理は欠かせません
計画をするだけでは財務構造は改善されません。
計画された数値と実際の数値を毎月、突合せ、どの程度の乖離があるのか
チェックする必要があります。
乖離をチェックして、なぜ、乖離したのか?
どうすれば計画値に近づけることができるのか?
それを毎月、管理していきます。
4.まずはチェックしてください!
まずは、「粗利益」「人件費」「借入金」をチェックして、
何が会社の資金繰りを悪くしているのか?
それを見極めましょう!
財務構造のチェック並びに改善計画について、もっと知りたい方はご連絡下さい。
原会計事務所 原眞人(ハラマサト)
☎0557-36-7752