■ 初めての確定申告 その2~伊豆新聞の広告をご覧の方~
昨日の続き、経費です。
(1)事業割合
経費はもちろん事業のために掛った費用を計上します。
プライベートのものを載せてはだめです。
明らかに事業用、プライベートのものと区別できるものはいいですが
個人事業の場合はグレーゾーンのものが結構あるので難しいところです。
例えばクルマもプライベートで使っていたら全額は経費として認められません。
したがってクルマに掛る
減価償却費、ガソリン代、保険料、税金は按分計算が必要となります。
クルマを事業とプライベートでどの位の割合で使っているか?
正確にその割合を出すのは困難なのでアバウトで良いです。
8割、7割、5割・・・
これを事業割合といいます。
事業割合が関係する経費は、ほかには
通信費(電話代は固定電話、ケータイで割合が異なってくるはず)
水道光熱費(自宅と事業所が同じだと必ず按分しなくてはいけません
面積で按分するのが一般的です)、
固定資産税(店舗部分と居住用で按分します)
火災保険(店舗部分と居住用で按分します)
(2)経費とならないもの
次のものは経費とはならないので
損益計算書に計上してはダメです。
①所得税、住民税、国民健康保険
*租税公課で計上されている人が結構いるのでご注意を!!
②医療費関係
従業員のために払ってあげた検診料などは経費になりますが
家族のためのものは 経費になりません。
通常の医療費は損益計算書の経費ではなく、
確定申告書の医療費控除で計上します。
(3)経費の科目説明
税務署から送付された損益計算書に印字されている
経費科目の内容を説明します。
①租税公課
税金、収入印紙のことです。経費となるのは
上記(1)(2)でも書いたように
事業に係る税金のみです。
事業供しているクルマの自動車税、店舗の固定資産税
消費税の課税業者となった場合で
税込表示で損益計算書を作成するときは
予定消費税、確定消費税をここに計上します。
②荷造運賃
商品を発送したときに係る費用を計上しますが
あまり使わない科目です
③水道光熱費
事業用の水道代、電気代、ガズ代、灯油代を計上します。
④通信費
事業用の電話代、切手代、ハガキ代を計上します。
⑤広告宣伝費
広告料、ホームページの管理料などを計上します。
⑥接待交際費
事業をしていく上での付き合いのために要した
費用を計上します。
祝儀、香典などもここで計上します。
⑦修繕費
店舗やクルマ、備品、機械などの
修理に掛った費用を計上します。
ただ、資産の価値を高めたり、耐久性を高めると
認められる場合は 資本的支出とされ
減価償却の対象となり全額、
支払った年の経費とならないことがあるので注意です。
*修繕費は税法上、デリケートな部分なので心配でしたら思い切って
税務署に聞いてみましょう!
⑧消耗品費
事務用品、事業に使う種々の小物を計上します。
ガソリン代なんかもここに計上してかまいません。
ただ、金額が10万円以上になると
減価償却の対象となり全額、支払った年の経費とならないこと
があるので注意です。
*経過措置で(平成18年4月1日~平成26年3月31日
までに取得したものについては取得価額が30万円未満の場合は
その取得価額全額を経費とすることができます)
⑨減価償却費
これは計算が必要なので次回、説明します!
⑩福利厚生費
従業員のための費用、例えば、従業員の出産お祝いや香典、
検診料、懇親会のために支払った費用などを計上します。
*あくまで従業員ですので、家族だけで事業をしている場合、
福利厚生費を計上してはダメです。
事業専従者は従業員ではありませんのでご注意を!!
⑪給料賃金
従業員に支払ったお給料を書きます。
ここに計上したら必ずその内訳を2面に記載しましょう。
*源泉所得税があるときは忘れずに記載しましょう。
⑫外注工賃
建設業の場合、お給料ではなく、
外注費として払った場合に計上します。
*「給料」か「外注」か
デリケートなところですのでご注意を!!
⑬利子割引料
事業に関わる借入金の利息を計上します。
元金は経費ではありません。
*金融機関以外からお金を借入している場合は
3面にその内訳を記載します。
⑭地代家賃
店舗の家賃や駐車場がある場合に計上します。
その場合はその内訳を3面に記載します。
⑮貸倒金
売掛金などの貸倒を計上しますが、
貸倒れの要件があります。
*計上するときは念のため税務署に聞いてみましょう。
⑯雑費
上記の経費に該当しない事業用の経費を計上します。
そのほか考えられる経費のなかでリース料があります。
リース料は「賃借料」という科目を使います。
ダスキンなどレンタル、レジや
冷蔵庫などのリースを計上します。
(専従者給与)
青色事業専従者の届け出をあらかじめしていないとダメです。
その年の給与の総額を計上します。
2面にその内訳を記載します。
源泉所得税が発生しているときは忘れずには記載して下さい。
次回は減価償却費と税金の計算を説明します。