■「決算書の読み方」~本日、伊豆新聞の記事をご覧頂いた方へ~
原会計事務所のホームページにお越し下さりありがとうございます。
決算書は一年間の経営者の成績表だと思って下さい。
どれだけ稼いで、その結果どれけお金が残った、借金が増えたとか
利益がどんなふうに生み出されたのか
費用対効果はどうか?
資金繰りはどうか?
同じ会社の決算書をつくっても
10人作る人がいたら、出来上がる決算書は10通りになります。
1つの取引があっても複数の会計処理が
認められている場合が多々あるからです。
絶対的な真実性を保証するものではありません。
したがって、相対的な真実性を保証するために
一度、決めた会計処理は変更してはダメという原則があります。
これを「継続性の原則」といいます。
決算書が出来上がってまずやることは過年度と比較してどうか?
なので、同じ会計処理をしていないと比較できない。
会計処理をしらずに自己流に「会計科目」を使うと
ホントわけが分からない決算書が出来上がり
決算書の比較なんてできません。
あなたの去年の決算書を見て下さい。
雑費が10万円以上あったら
財務分析はできません。
簿記の知識がないと
取引にぴったりの会計科目を選択するのって結構難しいです。
分からないから「雑費」にしてしまうんです。
また、その会社の事業によっても科目が変わってきます。
簿記を習っていれば、ある程度の決算書は作れますが
学習簿記と決定的に違う所は
あまり重要ではない取引は
会計科目を他の科目で代用してしまうこと。
例えば銀行の振り込み料なんかは
本来は「支払手数料」なんですが
年間で数回、しかも合計金額が千円以下だったら
「雑費」に入れてしまいます。
決算書の見やすさも大切なので
使用する会計科目をむやみに
増やさないことが実務では求められます。
このへんのところは会計原則の
「重要性の変則」や「明瞭性の原則」
が効いています。
プロが作る決算書は会計原則に裏付けされているので
安心して財務分析が出来ます。
簡単な財務分析を・・・
売上を比較してみましょう?
増えてますか?
粗利益はどうでしょう?
売上が増えていても粗利益が増えていなければ
その原因を追及しましょう。
在庫はどうでしょう?
原材料の値上げはありましたか?
経費関係でまず見なければいけないのが人件費です。
材料費以外で最もお金が掛るのが人件費なんです。
ただ、人件費という科目はありません。
人件費は「給与」「役員報酬」「法定福利費」「福利厚生費」
の合計額をいいます。
この人件費を粗利益で割ったのが労働分配率と言われるもので
粗利のうち人件費にどれだけ使うかの割合
これが増えていないか?をチェックします。
この割合が増えていくとなかなか利益が残るのが厳しくなります。
貸借対照表でチェックするのは
現預金と未収金の増減
現預金が減っていて未収金が増えていると
資金繰りが厳しくなってきます。
借入金の残高を月平均の売上で割ってみて
何カ月分の売上に相当するかを判断します。
半年分を超えると危険信号です。
売上に見合った債務ってあるんです。
こんなふうに僕は財務分析をして現状を把握し
どうやったら改善していくかを社長さんとお話しています。
ちゃんとした決算書をつくって、ちゃんと財務分析をして
現状を把握してもらい、改善策をいっしょに考えるのが
僕ら税理士のやるべきことです。
決算書は税金を計算するために作成するべきものではありません。
本来の使い方をすることが結局はあなたの経営のためになります。
今年の確定申告はプロに任せてみませんか?