■ なぜ中小零細は利益性が悪くなるのか?
先週に引き続き、社長塾基礎講座第3回目です。
中小零細企業はホント、悲しいくらい利益って残りません。
粗利益で結構稼いでいても最終的に残る利益はほんの僅かです。
効率性はとにかく悪いです。
経常利益を粗利益で割った比率を社長塾では損益余裕率と呼びます。
中小零細の黒字企業の平均は5%程度、
この率の意味するところは
100万円の粗利益があっても経常利益として残るのは
僅か5万円ということ。
ねっ、少ないでしょ。
さらに、この中から法人税や住民税、事業税などが払われるので
最終的には手元に残る利益というのはほとんどありません。
なぜこのようなことになるのか?
それを考えていくには営業マンの仕事の内容を考察する必要があります。
営業マンの仕事は大きくわけて3つの仕事から構成されています。
「社内業務時間」、
「移動時間」、
「お客さんとの面談コミュケーション時間」
この中で利益を生むのはじつは
「お客さんとの面談コミュケーション時間」しかありません。
「社内業務時間」は直接的には利益を生みませんが
お客さんと接するための電話をかけたり、資料を作成したり
必要な時間です。
でも、「移動時間」というのは利益を生まないばかりか
営業マンの人件費はもちろん、ガソリン代、電車代など
を使うので、ひどくマイナスとなります。
営業マンの仕事の構成を検証して
「移動時間」の割合が半分を超えていたら
かなりのロスを生み、これが利益性を悪くしています。
なぜ、移動時間が多いのか?
それはいろんな地域に分散してお客さんを作っているから
にほかなりません。
同じ売り上げでも、狭い範囲に密集してお客さんを作る場合と
広い範囲に分散して作るのでは、かかる経費がまるで違ってきます。
広い範囲にお客さんを作っていると一見、手広くやっているような印象を
受けますが、実はロスが多く経営の効率をひどく悪くしています。
これはお客さんを作る地域について考えましたが
お客さんを直接、作る対象となる
「商品」や「客層」についても同じことがいえます。
取り扱う「商品」の幅を広げたり
ターゲットとする客層を広げたり
こういうことをすると
確かに売り上げの金額は大きくなるのでいいことをやっているように
錯覚してしまいますが、非常に効率が悪くなり、一向に利益が残らない
構造を作ってしまいます。
中小零細企業がやるべきことは
集中してお客さんを作ることです。
「地域」「商品」「客層」を絞って集中してお客さんを作ることが
とても大事です。